キセジョのこぼればなしVol.22ー寄生虫編ー

キセジョのこぼればなし, ブルーコーナーマガジン 

 

 

繁殖コーナー担当のタイユーさんから、
「ニジギンポに変なものが付ている」と教えてもらいました。

 

どれどれと見てみると、、
お腹の下から茶色い何かが伸びております。
鰭? う〇ち?

 

 

 

反対側を見てみると、
明らかに何かがお腹に付いているのが分かりますね!!
(ちなみにこの子も鈴木香里武先生を見習ってやってきた、ニジギンポの幼魚です)

 

 

 

 

漠然と「イカリムシの仲間なのかな」なんて思いつつ、調べてみることに。
(というのも、以前ホウキハタに付いていたイカリムシの仲間もこのようにお魚の体表の寄生し、形も細長かったので。)
調べてみると、ウオビルの仲間とのことです。

ウオビルはお魚の体液を吸うため、たくさん付いているとお魚へのダメージは大きくなります。
今回は1匹しか付いていないためか、ニジギンポは意外と普通にしていますね。
でも体液を吸われている以上、見つけたら取り除くのがお魚にとっては良いです。

 

 

 

 

たまに、ズワイガニなどのカニの甲羅に黒い粒が付いているのを目にすることはないですか?
実はあれ、ウオビルの卵なのです。
写真を持ち合わせていないのでお見せすることができませんが、
インターネットで『カニ ヒル』なんかで検索すると出てきますので、
少々気持ち悪い写真も大丈夫という方は見てみてください。

 

ウオビルはお魚の体液を吸い、産卵の際はお魚から離れ岩場などに卵を産み付けます。
しかし周りに岩場などがなく産卵に良い場所がないと、カニの甲羅などにも産み付けるそうです。
またカニの甲羅に産み付けることで、卵がカニと一緒に移動し生活範囲を広げることができるとも考えられています。

 

ちなみに、ウオビルにとってカニは産卵の場所であり、体液を吸うことは確認されていません。
カニから栄養をもらい、そのまま産卵したほうが効率が良いように思いますが、、、
不思議な生き物ですね~