キセジョのこぼればなしVol.24

キセジョのこぼればなし, ブルーコーナーマガジン 

ー治療編ー

 

 

 

飼っている海水魚がライブロックに体をこすり痒そうな素振りを見せていたり、
どことなく調子が悪そうなときの対処法として “淡水浴” を行っている方多いかと思います。

ブルーコーナーでも、お魚の様子を見ながら淡水浴を行っております。
特に入荷したばかりのお魚は、病気を持っていることが多いので、
水槽に病気を持ち込まないよう予防の意味も込めて淡水浴を行うことがあります。

 

淡水浴は、海水魚を淡水で泳がせることで、
体に付いている寄生虫やウイルスなどを落とす効果があります。

淡水浴は、海水と淡水の浸透圧の差を利用した方法です。
淡水に入れると浸透圧により、細胞内に淡水が入り込み細胞が膨れ、やがて破裂して死んでしまいます。
お魚も同じような状況になりますが、体が大きいお魚の方が長い時間耐えることができるので
寄生虫のみ落とすことができます。

とはいえ、お魚もダメージを受けることは間違いないので、
お魚を観察しながら淡水に付ける時間を調節しなければいけません。

 

今日は、アカボシハナゴイを淡水浴したので
その様子を撮ってきました。

 


まずは、淡水の準備です。
カルキ抜きした淡水をストック水槽の水温とpHに合わせていきます。

アカボシハナゴイは24-25℃でストックしている為、ちょっと水温が低いですね。
その場合はお湯を入れちゃいます。
(時短の為です、、、ヒーターで温める時もあります。)

 

 

 


海水が淡水バケツに入らないよう、網やザルでお魚を取り上げ
淡水バケツに投入します。

ハナダイ類は淡水に弱いことと、
この子たちは1週間前と3日前の2回、淡水浴を実施していたのを考慮し、
今回は3分ほどをめどに様子を見ていきます。

時間については、魚種や状態を見つつ決めています。

 



やはり少なからずお魚も辛いのか、バケツの底でジッとしています。
寄生虫が落ちるまで、もう少し頑張って!!

 

 

 

 

 


およそ3分後、、、
淡水バケツに海水を少しずつ入れて、ストック水槽に戻す準備を始めます。

海水→淡水の時は、一気に
淡水→海水の時は、ゆっくりと

エアチューブを使って10分くらいかけて海水に慣らします。

 



ストック水槽に戻します。
戻す際もバケツの水が水槽に入らないよう、
網やザルを使って戻します。

戻してすぐは水槽に底面でジッとしていますが、
徐々にいつも通りの泳ぎに戻ってきます。

 

 

 

 

淡水浴を1回実施しただけで、元気になると良いのですが、
今回のアカボシハナゴイのように、複数回することで調子が戻る場合も多々あります。
その際はお魚へのダメージを最小限にするため、間隔を空けるなど
お魚の調子を見ていかないといけませんね。

 

調子が悪かったお魚たちが、元気になってお客様のもとへ巣立っていくと、
嬉しくなりますね。