繫殖コーナー #54 サザエ編

繁殖コーナー 

お疲れ様です。繫殖コーナー担当のタイユーです!

今回は少し身近ない生物を題材にしたいと思います。

 

 

こちらはサザエになります。

サザエは潮間帯から水深30mまでの岩場に生息しており、ゴツゴツとした突起物が特徴的な巻貝です。

夜行性で自然界ではアラメやワカメなどの海藻類を食べており、養殖では海藻以外にも配合飼料を食べています。

古くから高級食材として多くの人に認識されており、壺焼きを始め様々な料理があります。

観賞用としてはそこまで需要はないものの、タッチプールなどの生物に触れる水槽で展示されていることもあります。

食用としての需要が非常に高いため多くの繁殖研究がされていますが、完全養殖をするには難しい点があります。

その一つとして餌問題があげられます。サザエは非常に食欲旺盛で餌が不足すると身が瘦せ細ります。そのため大量に餌となる海藻類が必要となりますが、これを維持するコストとサザエの市場価格が合わず完全養殖が難しいとされています。

現在は親サザエから卵と精子を採集し人工授精から生まれた幼生を少し大きくしてから海に放流することが主流となっております。これにより必要以上に海藻類を必要としなくなりましたがこの場合多くの海藻類がある環境が必要となります。近年磯焼けなど海藻類の減少が問題となっている状況でただ放流するだけではいずれこの方法もうまく働かなくなる可能性も考えられます。人工飼料の開発もですが同時に海藻類の環境改善も進める必要があります。

日頃できることとしてゴミ拾いなどの環境改善がありますので自分でできることをしていければと思います。